なおやのマルチな経験共有スペース

視覚障害によって困難な移動をコミュニケーションで解決させる



みなさんこんにちは。盲目のマルチプレイヤーの直也です。だいぶお久しぶりになってしまいました。
発信内容の迷子になっていたため、いろいろな方のアドバイスをもらっていました。
今日からそれをアウトプットしていきます。
さて、「視覚障害は移動の障害である」とわたしは思っています。
どこにいくにも、道を覚えなければ確実にたどり着くことはできない。
手がかりの看板や風景を見ることができない。
などというように、視覚障碍者は晴眼者が簡単に行う移動について、障害となる要素が多いです。
しかし、それはコミュニケーションとITで補うことができます。
今回は、私の経験から、移動をコミュニケーションで補うやり方をご紹介します。

大前提に大事な二つのこと

まず、行動するかが大事

わたしは、主に高校生のときから、いろいろなところに出かけるようになりました。
オフ会、イベント、一人カラオケなどなど。
出かけたところの数は数えきれません。
現在であれば、オンラインサロンに参加し、サロンのイベントに積極的に行っています。
これらの話をすると、「行動力がある」と評価されます。
しかし、ぼくはこの件について、行動力があるかないかではないと思っています。
大前提として、自分が行動したいかしたくないか、それだけです。
みなさんは、好きな芸能人はいますか?
もしいるなら、好きな芸能人に会えるイベントには、積極的に足を運びますよね。その時は迷いもないし、地方のひとであれば、東京に行けるようにお金をためたり、家族を説得したりしているとおもいます。
視覚障碍者でもそうです。移動の障害を乗り越えるノウハウを知ったところで、行きたいところがなければ行動しませんし、逆に何も知らなくても、行きたいと思えば自分から情報収集するはずです。
今はネットが流行っていますから、情報を集めたり、SNSを使って同じ境遇の人から話を聞くことも簡単です。
結局のところ、自分が行動したいか、したくないか、それが大事です。
行動するきっかけはなんでもいいです。
推しに会いに行く。
友達と遊ぶ。
人には言えないピンク系なお店に行く(笑)。
これ以降の内容は、それこそ、「行きたいところはあるけどどうしたら」というときに情報を探すためにこのサイトに訪れた気分で読んでみてください。
視覚障害当事者でない方は、わたしの工夫を知っていただければ嬉しいです。

親の力を借りるのは最低限に

中学時代までのわたしは、移動に両親の力を頼っていました。
もちろん、当時の私に能力はありませんでしたし、両親もわたしのことが心配だったので当然といえば当然なのですが、これはよくなかったことを後々知りました。
両親の力を借りると、自律できません。
両親というのは、子供が生涯を持っていると過剰に心配しがちです。わたしのところもそうでした。
夜が遅いだけで心配になったり、最初は遠くに一人で遊びに行くだけでも心配になるものです。
しかし、そのままではいけません。自分は大丈夫ということを伝え、出かけるときはなるべく一人でか両親意外と出かけるようにしましょう。
1回目は大変かもしれませんし、こまめに連絡をとったりしなければならないかもしれませんが、両親の助けは最低限西、基本的に自分一人で出かけることを前提にしてください。

一人で出かけるときにしておくといいこと

相手方と積極的に連絡を取る

こちらは、出かけるときは必須です。
誰かと会うならその相手と、イベントに参加するなら主催者と、ライブや一人旅なら主催団体、もしくは会場に。
相手方と連絡をとっておくと、いい時は駅から誘導をしてくださったり、それができなくても行き先までの生き方を教えてくれます。
わたしはtwitterで見かけたアーティストのライブに行く時があります。その時に、twitterでつながっているアーティストさんに直接連絡をとってみると、
グループであればメンバーの一人が駅まで迎えにきてくださる。
個人であればスタッフがいればスタッフさんが誘導してくださる。
誘導はできなくても、ライブ会場までの道順を教えてくれる。
ライブ会場で声をかけてもらえる
といったことがあります。
一人で初めてのところに行くのは不安ですが、その不安な理由というのは、生き方がわからないからたどり着けないというのが大半です。
もし、
「エレベーターを出て左に行って、信号を二つわたってから2件目の建物」
などと言葉で説明をしてもらうだけでも、安心感はありますし、その通りに進んでいれば近くにはいくことができます。
実際、わたしは2014年の末にアイドル主催の忘年会に参加した際、
参加したいことを伝えたところ、わたしが視覚障害であることを知っているメンバーの方から、細かい道順を教えていただけました。
それを頼りに当日歩いていると、その途中で前にライブで会ったことがあるファン仲間と出会い、無事に会場にたどり着くことができました。
駅まで迎えに来てくださいというと断られてしまうこともあるかもしれませんが、積極的に相手に連絡をとることによって、ヒントを得ることができます。

事前に同じ行先に行く人と仲良くなっておく

これは、SNSが普及してきた昨今だからこそ使える方法です。
たとえば、あるアイドルを応援しているとして、ファン仲間をtwitterで探します。ファン仲間と仲良くなる方法については別記事で解説しますが、この場合の仲良くなるの定義は、お互いがお互いの名前を憶えていて、話すことができる仲だとします。
仲良くなり、いざライブが告知されたときに、
「○○ライブ、参戦しますか?」
と質問してから、イエスの返事がきた場合は、自分も一緒に行って良いか聞いてみましょう。
定義した関係になっていれば、よほどの事情がない限りOKと言ってくれるでしょう。
もちろん、ライブに一緒に行ってほしいから仲良くなるというのは、目的と手段が逆になっているのでNGです。
好きなアイドルについて語れる、一緒にライブ参戦できる仲間を探すという意味でSNSを駆使して声をかければよいのです。
これがアイドルのイベントではなく、なんかの勉強会やオフ会だった場合は、参加者にコンタクトをとってみましょう。
わたしは最近オンラインサロンというものに参加していて、オンラインサロン関連のイベントに行ったりしますが、クローズなコミュニティーであるからこそ、みなさん優しくて駅から一緒に現地に向かってくれます。
自分の障害のことをしっかり伝え、ご迷惑でなければご一緒していいですか?とお願いすることができれば、移動の障害はクリアできます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
視覚障害を持っていると、移動に対して躊躇しがちですが、すこしの工夫で問題が解決し、視覚障碍者もがんがん外に出ることができます。
今回のおさらいは、
まず、行動したいと思うことが大事。
両親の力は最低限借りる。
相手と連絡をとる。
一緒に参加する人がいれば、仲良くなって目的地まで一緒に行ってもらえるようにお願いする。
です。
これから、自分の行きたいところに自由に行ける視覚障碍者が増えますように。
あ、ぼくから、「一緒に目的地まで行っていただけませんか?」と依頼がきた晴眼者の方(主にサロン仲間の方)、その時は心優しく受け入れてあげてください(笑)