なおやのマルチな経験共有スペース

視覚障碍者が移動において親離れをする



こんにちは。盲目のマルチプレイヤーの直也です。
前々回の記事で、視覚障碍者はまずは両親の手を借りるのは最低限にして、どんどん一人で出かけていくのが大切だと述べました。
しかし、親は子供のことが心配だし、子供もついつい親を頼ってしまうもの。それではどうしたらよろしいのでしょうか。
今回は、わたしの経験をもとに、両親を安心させ、一人で移動d着るようになるステップを紹介します。

まずは電車の移動だけでも一人でやってみる

最初は最寄り駅まで一人で行くのも大変です。道がわかっていなければいけませんし、一人で信号を渡るのも難しいかもしれない。
そんなときは、両親に最寄り駅まで送ってもらうことになるかもしれませんが、まずはそれでいいです。
「両親と目的地まで向かう」ことと、
「両親と最寄り駅まで向かうこと」は違います。

電車の移動であれば駅員のサービスも使えますし、まずは両親に駅まで送ってもらう→駅員さんの介助を使って電車移動→最寄り駅で待ち合わせ
でもいいとおもいます。
私が一人移動を本格的にするようになったのは中学生のときでした。
小学生の終わりから、視覚障害を持つ大人たちとバンド活動をしていて、バンド活動以外にもいろいろな話をしたのですが、一人で移動することの大切さを教えられました。
目的地まで親と行くようじゃだめだ、せめて自宅の最寄り駅までにしなさいと言われたのです。
正直、「この人たちは何を無理なことを言っているんだ」と思いましたね。
基本的に知らないところを一人で歩くのは怖かったし、視覚障碍者は見える人といssyじゃないといけないとおもっていましたから。
その時は、弱視のひとも一緒にいて、全盲の人は弱視の人についていくというのが当たり前になっていたので、全盲の人が一人で歩くところをぼくは知らなかったんです。
ところが、ある日、ぼくが全盲の人に駅の改札まで連れて行ってもらったことがあって。その時に、点字ブロックの有効な使い方を教えてもらいました。
初めて一緒に歩いたときは衝撃でしたね。全盲が全盲を案内している、みたいな。
その経験を通して自分でも動こうと思えば動けることを知ったぼくは、すこしずつ両親の手から離れ、移動距離を伸ばしていけるようになりました。

盲学校の寮に入って一人で行動しなければいけない状況を作る

これは意外といい方法です。中学生のころ、あまり一人で物事をこなすことができなかったぼくは、付き添いの先生から、
「寮に入って大丈夫?」
といわれていました。
しかし、これまた入ってみればなんとかなるものです。
わたしが行った日本で一番大きな盲学校は自立のためのサポートも充実していて、わからないことは教えてくれるし、入学していきなり歩行指導があります。
その歩行指導も、学校の周りや帰省ルート、すこし遠出をしてみたりと様々なものがありました。
最初は一人で外出や帰省をするのに制限がかけられますが、歩行指導をしてくれている先生から許可が出れば、これらは自由に行えます。
そのような支援体制が整っていたので、中学から高校に進学して、わたしの移動距離は格段に伸びました。
とくに、寮にいる間は買い物だけでなく、門限に間に合えば他県への遠出も自由になりますから、実家にいるときには両親に心配されそうな長距離の移動を行うこともできます。
また、私の場合はよく長距離の移動をする鉄道おたくの先輩と仲が良かったことも一人で移動ができるようになったきっかけの一つです。その先輩に、手すりの点字表示の有効性や、案内を使わずに一人で冒険する重要性を教えられました。
出会いは自分でコントロールできるものではありませんから難しいところもあるかもしれませんが、参考になりそうなノウハウを持っている知り合いにはぜひ絡みに行きましょう。
というか、このブログにコメント、メッセージくだされば、わたしでよければお返しします。
もちろんtwitterでも大歓迎です。

実際に移動しているところを見せる

これは盲学校などでトレーニングをしたあとに有効です。
両親は、子供たちがどれぐらい進歩していたのかをなかなか知らないものです。そういうときは、実際に歩けるところを見せればいいのです。。
自分はもうこれぐらいできるから大丈夫だというところを見せることができれば、両親もおのずと納得してくれるはずです。
わたしの盲学校では、帰省ルートの練習をしたあと、実際に歩いて帰省する姿を両親に見せろという課題を出されます。
そのとき、まあ疲れなどが重なってすこし失敗はしましたが、それを境に両親は安心してくれたのかなとおもいます。
結局、人は証拠がほしいんですよね。できることもできないことも、事実よりも、経験から基づいた事実が欲しいのです。
この記事も、そのために書いています。2回にわたって書いたノウハウだけではピンとこないと思ったので、わたしの経験をこうやって書いています。

まとめ

両親の説得は永遠の課題dす。
どうしても、心配sる気持ちというのはなかなか払しょくできないもの。
それでも、一人でどこへでも移動できる能力は必要だし、あると世界が広がります。
わたしも、一人で移動をするようになってから、多くのことを学びました。
道に迷ったこともあります。
よくあからないところに入り込んで、なん十分も時間のロスをしたこともあります。
それでも、ひとりで移動したことによって、普段はない発見をしたり、自立できた感覚があって、生きてるここちがします。
みなさんも、そんな新しい感覚を味わえるように1歩を踏み出してみてください。
それから、視覚障害当時佐の親御さんへ。
子供たちは、1歩を踏み出そうとしています。もちろん、援助が必要ななこともあるかもしれません。
それでも、まずはすこし手を差し伸べる範囲を狭めてみて、自立を促してみてください。
きっと、親子そろって前に進めます。
これから楽しいところにたくさん出かけていきましょう。